津軽びいどろの北洋硝子(石塚硝子) 花瓶やグラス NHKイッピン
津軽びいどろの歴史と特徴・NHKイッピン紹介
NHKイッピン「津軽の色を閉じ込めて 青森ガラス製品」で紹介された「津軽びいどろ」の歴史や特徴、また北洋硝子(石塚硝子) 」の花瓶やグラス、仏具、ガラス体験や見学を調べてみました。
青森のガラス製品は漁網につける浮玉(うきだま)製造に始まります。浮玉とは中が空洞になっている球状の漁具で、漁網を浮かせる目的や目印として、真珠の養殖でも用いられています。
1975年頃にプラスチックの浮玉が普及するまで、国内のガラス製の浮玉生産の約60%を担っていたのが北洋硝子。同社は石塚硝子グループの一員ということで、石塚硝子の名前でも製品が出ています。
浮玉生産には吹きガラスの技術が使われますが、2種類の方法があります。それが「宙吹き(ちゅうぶき)」と「型吹き」。
宙吹きは空中で竿に息を吹き込みながら成型する方法です。やわらかいガラス自身の重さに働く重力と、が垂れないように竿を回すわずかな遠心力だけで形を整えます。
型にははめず自然の力を使うので、それぞれ微妙に形が違って手作り感が出るのが魅力です。
型吹きは吹き竿につけたガラス玉をあらかじめくりぬいておいた型に差し込み、その状態で竿に息を吹き込み成型する方法です。
青森・北洋硝子(石塚硝子) の宙吹き技術
北洋硝子ではその昔、紀元前一世紀ころから受け継がれてきた宙吹きの技法で、漁業用の浮き玉を作っていました。
ガラスに色がついたのはある職人の思いつきからだったとか。青森でもひときわ美しい砂浜と緑豊かな自然が続く七里長浜のひと握りの砂を原料として加えたところ、そのガラスは、深みのある緑へと色を変えました。
その温かい色合いが日本各地で愛されるようになり、七里長浜の工芸品として村おこしの役割も担うようになります。
宙吹ガラスの作品はガラスごとに色や形が異なるため、触れたときにはじめてデザインが生まれると言われます。
「津軽びいどろ」は青森の自然をイメージさせるハンドメイドガラスとして、1977年に誕生。
北洋硝子が現在主原料に使うのはガラスの「珪砂(けいしゃ)」と呼ばれる砂。花崗岩が風化したものや珪石を破砕・粉砕して人工的に砂状にしたものをいいます。
この砂を溶解炉で溶かすと、ガラスの種になります。るつぼに入った約1400℃の真っ赤なガラスを宙吹きの技法で膨らませる伝統の技法が、色鮮やかでぬくもりのあるガラスの美を創り上げているんですね。
アート作品としての評価も高く、高級ガラス仏具も製造
その美しさは、海外でもアート作品として評価され、なかには熱心なコレクターがいるほどです。
なかでも青森ねぶた祭りをイメージしてつくられた「津軽びいどろねぶた(NEBUTA)」シリーズが人気です。通販販売店の在庫にも花瓶、ロックグラス、ペアグラス、オイルランプ、タンブラー、酒器セット、箸置き、醤油差し、風鈴などいろいろあります。
津軽びいどろではこのほか、高級ガラス仏具も製造されていて、「和風総本家(テレビ大阪制作・テレビ東京系列放送)でも紹介されて話題となっています。とても美しい仏具です。
津軽びいどろのガラス体験や見学
津軽びいどろのガラス体験や見学は北洋硝子株式会社をチェックしてみてください。見学はもちろん、事前予約で制作体験も出来るようです。