山口萩焼・ヒビの特徴や切り高台、萩焼会館ろくろ体験 NHKイッピン
萩焼は特徴は高火度焼成による柔らかな風合いとヒビの効果
NHKイッピン「やわらかに!モダンに!~山口萩焼~」で紹介された「山口県の萩焼」のヒビの特徴や切り高台にまつわる歴史、人間国宝の名工・三輪休雪、通販事情、萩焼会館ろくろ体験などを紹介します。
目次
茶陶(茶の湯で使うための陶器)として有名な萩焼(はぎやき)は、おもに山口県萩市一帯で焼かれる陶器です。
萩焼は高火度焼成により比較的短時間で器を焼いて土味を残すため、独特の柔らかな風合いが特徴です。
さらに、土が粗いため浸透性・保水性・保温性が高く、土と釉薬(うわぐすり)の収縮率の違いにより、表面に貫入と言われる細かなヒビができます。
土に吸水性があるため、長年使っていくうちにこの細かいヒビ模様に茶渋などの水分が浸透。
器の中から表面にまで至るために茶碗の趣が変わり、茶人の間では「茶馴れ」や「萩の七化け」といって珍重されているんですね。
名工・三輪休雪にも受け継がれた萩焼の歴史・切り高台とは
山口県の萩焼の歴史は今から400年以上前の文禄元年(1592)、豊臣秀吉の朝鮮出兵に遡ります。
豊臣秀吉の命を受けた毛利輝元が、朝鮮の名工であった李勺光・李敬兄弟を招いて御用窯として作陶したことに始まりました。
とはいえ、萩焼は萩藩・毛利氏の御用窯として発展したため、当時は日常雑器はほとんど造られず、庶民のものではなかったんですね。
その後、キズものなら使ってもよいとお許しが出たために、わざと高台(茶碗などの底につくる支えの台)に刀で傷を入れ、切り高台として庶民にも普及したと言われています。
江戸時代寛文年間には窯元・三輪窯が誕生。三輪窯の当主は陶芸作家としての名跡「三輪休雪(みわ きゅうせつ)」を代々襲名することになります。
10代、11代は人間国宝としても認定されました。当代は人間国宝の13代三輪休雪さん。こうして多くの名工に技が受け継がれ、現代に至るまで萩焼の技術は発展してきました。
萩焼はソライロなど現代的デザインのものが通販販売店にも
土味を生かした柔らかな色合いが魅力の器が、現代では多彩に変化しています。
カラフルでかわいらしい模様のティーカップ、繊細なグラデーションにより光と影を表現したソライロなど、モダンなデザインの器など新しい萩焼が送り出されています。
急須、湯呑、コーヒーカップ、マグカップ、ワイングラス、茶碗、抹茶茶碗、徳利などの酒器、花瓶、皿など、通販での種類も豊富です。
萩焼のろくろ体験は萩焼会館など
萩焼のろくろ体験は萩焼会館や地元の窯元でできます。
ちなみに、萩焼会館は展示直売、窯元見学、陶芸体験などのほかに、併設のカフェや食事処で萩焼の器を使った喫茶・食事が楽しめます。
ただし、新型コロナウィルス感染拡大防止のため、電動ろくろ体験だけで手びねり体験・絵付け体験になっているところもありますので、情報をよく確認してみてくださいね。